支える会PRESS

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どうぞ今年も豆を育てる子どもを応援してくださいね
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会長を囲む、幹事会メンバー!

会員の皆様

それぞれに良い新年を迎えられたことと思います。どうぞ今年も豆を育てる子どもを応援してくださいね。

 いま私が最も心配しているのが「主要農作物種子法(種子法)」の廃止のことです。先の戦争が終わってから「二度と国民を飢えさせないために」つくられた、米、麦、大豆の種子を国の責任で守っていく法律が、今春廃止されるそうです。これは大変な問題です。
 この国は、持たざる国です。あの戦争で私が体験したことは、戦争になれば何もかも、すっかりなくなるということです。食べるものがないのは当たり前、着るものも履くものもすべてなくなります。
 カエルの靴を履いたことがありますか。どんなに気持ちが悪いものか想像できますか。 底をつくにも程がある。それが、この国です。

 この「持たざる国」で決して手放してはいけないものが、米、出汁、発酵調味料です。さらに大豆。米と大豆があれば、いざという時になんとか生きていくことができる。だから私は、いわば「背水の陣」をしくつもりで大豆100粒運動を始めました。
 それがどうでしょう。米と麦と大豆の種子は100%国産で守ると決めた「種子法」の廃止が昨年の春、国会であっさりと決まってしまいました。この法律が民間企業の参入を阻害しているというのです。種子は水や空気、土と同じように、生物が生きていくのに必要不可欠のもの。民間企業に委ねていいものではありません。
 この法律が廃止されれば、モンサント社など海外企業の種子の参入が容易になります。企業は営利追求、儲ける仕組みを常に考えています。遺伝子組み換え、ポストハーベスト、どちらも「安全」だと言っていますが、どちらもダメです。ダメなものはダメ。経済云々の問題ではありません。

 それからもう一つ、国際関係。新年早々考えたくないことですが、これからミサイルが飛び交う時代が確実に来ます。深いところへ潜らなければいけない時が来た時に、どういう心情でキッとそこで我慢することができるか。いまの日本人、自我でいっぱいの人間が、深いところに潜って最低三日はいなくてはならないと思う。弱く、祈ることも知らず、自己主張だけが強くなった男と女をどのように落ち着かせるか。その時、何をどのように食べさせるか。私はつねに考えています。
 その時ご飯を炊いて握り飯を配ることなんてできません。玄米でつくった煎餅。板チョコのような形の五年熟成八丁味噌。私の関係のものづくりの人がつくってくれました。そのぐらいの準備がないと、三日間深いところに留まってなどいられない。「いざの時」では間に合いません。
 大豆100粒運動は、小さいけれど、国を支える実体を持った、具体的で大切な活動です。私はそれを誇りに思っています。どうか、こういう背景をふまえて、今年も一年、よろしくお願いいたします。


       辰巳芳子(談)

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